活用事例

大型物流センター・倉庫の熱中症対策|巡回管理だけでは防げない現場リスクをIoTで見える化

公開日:2026/07/17

物流・倉庫現場の熱中症対策では、刻々と変化する作業環境を「見える化」し、継続的に把握することが欠かせません。

特に大型物流センターや3PL倉庫、EC物流センターでは、倉庫全体の温度だけでは熱中症リスクを管理しきれません。荷受け場やピッキングエリア、高層ラック周辺、出荷エリアなど、場所によって環境が大きく異なるためです。

本記事では、物流・倉庫現場における熱中症対策の課題を整理し、産業用ワイヤレスセンサー&管理プラットフォーム「MONNIT」を活用した対策方法をご紹介します。

大型物流センター・倉庫の熱中症対策|巡回管理だけでは防げない現場リスクをIoTで見える化
大型物流センター・倉庫の熱中症対策|巡回管理だけでは防げない現場リスクをIoTで見える化

大型物流センター・倉庫の熱中症対策|巡回管理だけでは防げない現場リスクをIoTで見える化

物流・倉庫現場の熱中症対策が「進んでいるようで進んでいない」理由

近年の気温上昇に伴い、多くの物流・倉庫事業者が熱中症対策に取り組んでいます。WBGT計や温湿度計による暑熱環境の把握のほか、エリア内を複数のポイントで継続的にモニタリングし、データを蓄積・共有できるIoT環境監視への関心も高まっています。

しかし、大型物流センターや3PL倉庫、EC物流センターの現場からは、次のような声も少なくありません。

  • 倉庫長:「暑いのは分かっているけれど、どこが危険なのか分からない」
  • 安全衛生担当者:「1時間ごとに巡回しているが、見に行く頃には状況が変わっている」
  • 現場責任者:「休憩指示を出したいが、現場が止まるため判断が難しい」
  • 本社担当者:「現場任せになっていて、本当に管理できているのか分からない」

つまり、「対策を実施していること」と「現場を適切に管理できていること」は、必ずしも同じではありません。その差は、主に次のような点から生まれています。

  • 倉庫内が広く、すべてのエリアを巡回して確認できない
  • エリアごとの温度差を把握できていない
  • 人手不足により、定期的な温湿度確認が難しい
  • 夜間や休日は現場の状況を確認しづらい
  • 異常発生時の連絡体制が属人的になっている


熱中症対策を強化するためには、「倉庫全体が暑いかどうか」だけでなく、「どの場所が、いつ、どの程度危険な状態になっているのか」を継続的に把握できる仕組みが重要です。

なぜ倉庫内は場所によって危険度が違うのか

オフィスであれば、空調設備によって室内環境が比較的均一に保たれています。しかし、大型物流センターや倉庫では、建物全体を均一な環境に維持することは容易ではありません。同じ建物内であっても、場所によって温度や作業負荷は大きく異なります。

荷受け・搬入口エリア

荷受け場や搬入口では、トラックの出入りに伴って大型シャッターが頻繁に開閉されます。そのため、夏場は外気の熱気が直接流入しやすく、短時間で温度が上昇することがあります。
また、荷下ろし作業やフォークリフト作業は身体的な負荷も高く、熱中症リスクが高まりやすいエリアです。

ピッキングエリア

ピッキングエリアでは、作業員が広い倉庫内を長時間移動しながら作業を行います。特にEC物流センターなどでは、繁忙期になると作業量が増加し、作業者自身が気付かないうちに体温上昇や脱水が進行するケースがあります。

高層ラック周辺

高層ラック周辺では、空気の流れが悪くなり、熱が滞留することがあります。また、倉庫内の場所によっては空調設備の効果が十分に届かず、管理者が想定している以上に高温になっている場合があります。

出荷・仕分けエリア

出荷エリアや仕分けエリアでは、荷物の積み込みや搬送作業が集中します。特に繁忙時間帯には、「休憩に行くタイミングが取れない」「あと少しだからと作業を続けてしまう」といった状況が発生しやすく、熱中症リスクが高まります。

事務所の温度計が28℃を示していても、荷受け場や出荷エリアでは数℃から10℃前後の差が生じることがあります。
重要なのは、人が実際に作業している場所の環境を把握し、危険な状態になった場所を速やかに特定して、必要な人へ伝えることです。


従来の熱中症対策に共通する「運用の限界」

WBGT計や温湿度計の設置、巡回、休憩ルールの整備など、多くの企業が対策を進めています。しかし、大型物流センターやEC物流センターでは、主に次の3つの運用面の壁に直面しやすくなります。

1.測定点が限られる

少数のWBGT計や温湿度計だけでは、荷受け場からピッキングエリア、高層ラック周辺まで、現場全体をカバーすることは難しくなります。 測定していない場所のリスクは、「分からないまま」になってしまいます。

2.巡回は「その瞬間」しか捉えられない

安全衛生担当者が定期的に巡回していても、確認できるのは巡回時点の状況に限られます。人手不足や繁忙期、夜間・休日の運用では、現場全体を常時目視で確認することは現実的ではありません。

3.「見つける」ことと「知らせる」ことは別の課題

危険な状態を検知できたとしても、誰が確認し、誰に連絡し、誰が休憩指示を出すのかという運用ルールが明確でなければ、対応が遅れる可能性があります。

特に夜間や休日、責任者不在時には、検知から対応までのギャップが大きくなりやすくなります。

これら3つの壁を越えるためには、複数エリアの継続的なモニタリング・異常の自動検知・関係者への通知を組み合わせた仕組みが必要です。


「MONNIT」で実現する「測る」→「判断する」→「知らせる」

物流・倉庫現場の熱中症対策では、複数の作業エリアを継続的にモニタリングすること、危険な状態を自動で検知すること、関係者へ通知することの3つを実現することが重要です。

しかし、これらを人による巡回や目視確認だけで運用することは容易ではありません。

そこで有効なのが、「測る」「判断する」「知らせる」という一連の流れを自動化する仕組みです。産業用ワイヤレスセンサー&管理プラットフォーム「MONNIT」を活用することで、物流・倉庫現場の熱中症対策を効率的に運用できます。

産業用ワイヤレスセンサー&管理プラットフォーム「MONNIT」

STEP1「測る」|倉庫内の複数エリアを継続的にモニタリングする

「MONNIT」の温湿度センサーを、熱中症リスクが高いエリアに設置します。

設置場所 モニタリングの目的
荷受け場 外気流入による急激な温度上昇を把握する
ピッキングエリア 作業者が実際に働く環境を把握する
高層ラック周辺 熱が滞留しやすいエリアの状態を把握する
出荷エリア 荷役作業による高負荷環境を把握する
休憩所 安全に休憩できる環境であるかを確認する

目的は「倉庫全体が暑いか」を確認することではなく、「どのエリアで、いつ、どの程度の熱中症リスクが発生しているのか」を把握することです。

※MONNITは温度・湿度を測定するセンサーです。WBGT(暑さ指数)は黒球温度や気流の測定を要するため、MONNIT単体でWBGT値を算出するものではありません。定点のWBGT計を補う、複数エリアの温湿度モニタリングとしてご利用ください。


STEP2「判断する」|設定した条件を超えた場合に自動で異常を検知する

「MONNIT」では、温度や湿度などの条件をあらかじめ設定できます。例えば、「温度が設定値を超えた場合」「短時間で急激に温度が上昇した場合」などの条件で、自動的に異常を検知できます。

  • 巡回のタイミングに依存せず、状態を確認できる
  • 夜間や休日を含めて継続的にモニタリングできる
  • 人の経験や感覚だけに頼らない熱中症対策を実現できる

STEP3「知らせる」|異常時はアラートで素早く通知する

温度や湿度のしきい値超過を検知すると、「MONNIT」の管理プラットフォーム「iMonnit」がアラートメールを送信します。担当者は、離れた場所からでも異常の発生を把握できます。

熱中症対策では、環境を測定するだけでは十分ではありません。重要なのは、危険な状態を早期に検知し、必要な人へ伝え、迅速な対応につなげることです。 「MONNIT」による環境の継続的なモニタリングによって、物流・倉庫現場の熱中症対策を効率的に運用できるようになります。


「MONNIT」とは

産業用ワイヤレスセンサー&遠隔管理プラットフォーム「MONNIT(モニット)」は、温度・湿度・水濡れ・開閉・振動・電流・ガスなど、75機種以上のセンサーをラインアップする産業用ワイヤレスセンサー「ALTA」と、そのデータをクラウド上で一元管理するプラットフォーム「iMonnit」の総称です。 電池駆動・配線工事不要で設置できるため、既存の建物や設備を大きく変更せずに導入できます。



想定される導入シーン

「温湿度計は設置しているが、一部のエリアしかモニタリングできていない」「荷受け場やピッキングエリアなど、場所ごとの温度差を把握できていない」「夜間・休日の熱中症リスクを十分にモニタリングできていない」といった課題は、多くの物流・倉庫現場で共通して見られます。

特に、広い施設内で多数の作業者が働く次のような現場では、エリアごとの環境把握と迅速な情報共有が重要になります。

  • EC物流センター
  • 3PL物流センター
  • 配送センター
  • メーカー物流倉庫
  • 大型倉庫施設

「MONNIT」による継続的なモニタリングによって、「どのエリアで、いつ、どの程度の熱中症リスクが発生しているのか」を把握し、迅速な対応につなげる仕組みを構築できます。

導入イメージ|EC物流センターでのケーススタディ

あるEC物流センターでの運用イメージを、データの流れに沿ってご紹介します。

  • 荷受け場・ピッキングエリア・出荷エリアなど、熱がこもりやすく、作業者が長時間滞在する複数の場所に「MONNIT」のセンサー「ALTA」シリーズを設置します。
  • 各センサーで取得した温湿度データは、遠隔管理プラットフォーム「iMonnit」に蓄積され、管理画面上で可視化されます。あらかじめ設定したしきい値を超えた場合には、「iMonnit」が異常を検知し、アラートメールを送信します。
  • 担当者がアラートメールを確認し、現場責任者への連絡、休憩指示、作業配置の見直しなど、必要な初動対応を判断します。

導入までのステップ

ヒアリング、PoC(小規模実証)、本番展開という流れで進めます。所要日数は、施設の規模やセンサーの設置数、システム構成によって異なります。

ステップ 実施内容
ヒアリング 施設の広さ、作業エリア、現在の管理方法、課題などを確認します
PoC(小規模実証) 一部のエリアにセンサーを設置し、通信環境や測定内容を確認します
本番展開 必要なエリアへセンサーを展開し、管理画面や通知条件を設定します

よくあるご質問

Q

MONNITの温湿度センサーは、どのような場所に設置すればよいですか?

A

物流・倉庫現場では、倉庫全体の平均的な温度を測るのではなく、熱中症リスクが高い場所に設置することが重要です。

例えば、荷受け場、ピッキングエリア、高層ラック周辺、出荷エリア、休憩所など、人が長時間作業する場所や熱がこもりやすい場所への設置が効果的です。目的に応じて複数箇所に設置することで、エリアごとのリスクを把握できます。

Q

温湿度センサーは、倉庫内の複数エリアに設置できますか?

A

はい。荷受け場やピッキングエリア、高層ラック周辺など、熱中症リスクが高いポイントに複数設置し、「iMonnit」で一元管理できます。

Q

夜間や休日のモニタリングにも対応できますか?

A

はい。「iMonnit」はクラウド上で24時間データを収集するため、夜間や休日を含めて継続的にモニタリングできます。

あらかじめ設定した温度や湿度の条件を超えた場合には、担当者へアラートメールを送信できます。

Q

複数の倉庫や拠点を一元管理できますか?

A

はい。遠隔管理プラットフォーム「iMonnit」では、複数拠点のセンサーデータを一元的に管理できます。本社や管理拠点から、各倉庫の状態をまとめて確認することが可能です。

Q

センサーの設置に配線工事やネットワーク工事は必要ですか?

A

「MONNIT」のセンサー「ALTA」シリーズは、電池駆動のワイヤレスセンサーであるため、センサー設置時の配線工事は不要です。

センサーで取得したデータは、ゲートウェイを経由してクラウド上の管理プラットフォーム「iMonnit」で確認できます。そのため、既存設備への影響を抑えながら、比較的短期間で導入を開始できます。

まとめ|熱中症対策は「測る」だけでなく「知らせる」ことが重要

物流・倉庫現場の熱中症対策では、「どこが危険なのか」を把握することと、危険な状態になったことを必要な人へ知らせることの両方が必要です。

倉庫内は、荷受け場、ピッキングエリア、高層ラック周辺、出荷エリアなど、場所によって温度や作業負荷が異なります。そのため、一部の温湿度計や定期巡回だけでは、現場全体の変化を十分に把握できない場合があります。

「MONNIT」による温湿度の継続的なモニタリングを活用することで、複数エリアの状態を遠隔から把握し、設定した条件を超えた際に担当者へ通知できます。

巡回や担当者の感覚だけに依存せず、データに基づいて休憩指示や作業配置の見直しを判断しやすくなるため、物流・倉庫現場の熱中症対策をより効率的に運用できます。

現場の熱中症対策を強化したい物流・倉庫事業者様はご相談ください

エリアごとの温湿度の見える化や、異常時の通知まで見据えた熱中症対策をご検討中の場合は、MONNITの活用をご相談ください。物流・倉庫現場向けの提案イメージや構成例を含めて、ご案内いたします。

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