はじめに——無線規格の選択が、IoT導入の成否を左右する
IoTセンサーの無線通信、どの規格を選べばよいか迷っていませんか?
Wi-Fi、Bluetooth、LTE、LPWA……選択肢は多岐にわたり、それぞれ得意とする用途や環境が異なります。規格の選択を誤ると、電池交換の頻度が想定より多くなる・通信が不安定で管理に支障が出る・月々の通信コストが予算を超えるといった問題につながりかねません。
本記事では、主要な無線通信規格の特性を整理しながら、なぜ設備管理用IoTにLPWA(Low Power Wide Area)、特に920MHz帯が選ばれるのかを解説します。
主要な無線規格、それぞれの得意・不得意
代表的な無線通信規格の特性を比較してみましょう。
| 規格 | 通信速度 | 屋内通信距離 | 電池寿命 | 通信費 |
|---|---|---|---|---|
| 有線 (Ethernet) |
非常に速い (100Mbps〜1Gbps) |
100m/本 | 不要 | 0円 |
| Wi-Fi (2.4GHz) |
速い (10〜600Mbps) |
30〜50m | 1〜3週間 | 0円 |
| Bluetooth(BLE) (2.4GHz) |
速い (0.1〜1Mbps) |
1~数m | 1〜3ヶ月 | 0円 |
| 920MHz(室内) (LPWA) |
非常に遅い (数10byte/回) |
100〜300m | 5〜10年 | 0円 |
| LTE (4G) |
速い (10〜100Mbps) |
基地局依存 | 1日〜数日 | 500〜2,000円/月 |
| LTE-M / NB-IoT | 遅い (20〜300kbps) |
基地局依存 | 数ヶ月 | 100〜500円/月 |
Wi-FiやLTEは、大容量データを高速に送ることに適した規格です。一方、温度・漏水・振動などの設備管理センサーが送るデータは、数十バイト程度の小さなデータが中心です。そのため、高速通信よりも、電池寿命・通信距離・コストの方が重要な選択軸になります。
LPWAとは何か|「低消費電力」と「広域通信」を両立する規格
LPWAとはLow Power Wide Area(低消費電力広域通信)の略称で、少ない電力で広いエリアをカバーできる無線通信規格の総称です。
通信速度と通信距離の関係で見ると、LPWAは「通信速度は遅いが、通信距離は長い」領域に位置します。Wi-FiやBluetoothが速度重視・近距離向けであるのに対し、LPWAは小さなデータを広い範囲に届けることに特化しています。設備管理・環境センシングといった用途に適した通信方式です。
LPWAと各種無線規格の比較(図)
920MHz帯LPWAを採用したMONNITの5つの強み
920MHz帯LPWAを採用したIoTセンサー製品として、MONNIT(モニット)ソリューションの「ALTA」があります。MONNITは温度・漏水・振動・扉の開閉など多様なセンサーを1つのプラットフォームで管理できる、設備管理向けのワイヤレスセンサーシステムです。以下では、MONNITの特性を通じて920MHz帯の強みを具体的に解説します。
① 電池駆動で長期稼働が可能
Wi-FiやLTEは常時接続方式のため、電池での長期運用は困難です。対してLPWAは必要なときだけ送信する都度送信方式を採用しており、単三電池で約3〜10年の稼働が可能です。
② 2.4GHz帯より干渉が少ない
Wi-FiやBluetoothが集中する2.4GHz帯は、オフィス・工場内で電波の競合が起きやすい環境です。920MHz帯は産業用途中心の周波数帯のため競合デバイスが少なく、無線渋滞や干渉が起きにくい特性があります。
③ 1台のゲートウェイで100台のセンサーを管理
一般的なWiFiアクセスポイントが接続管理できるのは10〜50台程度です。MONNITのゲートウェイは1台で100台のセンサーを管理できるため、大規模な設備管理もシンプルな構成で対応できます。
④ 通信費ゼロ・無線局免許不要
LTEを使うIoTシステムでは月額の回線費用が発生しますが、920MHz帯の特定小電力無線は月額通信費が不要です。また無線局の免許や届け出も不要なため、導入手続きの負担も軽減されます。
⑤ 自営ネットワークとして社内LANで完結
キャリア回線や外部基地局に依存しない自営ネットワークとして構築でき、既存の社内LANにゲートウェイを接続するだけで利用を開始できます。通信インフラを自社内で管理できるため、セキュリティポリシーとの整合も取りやすいと考えられます。
産業用ワイヤレスセンサー&管理プラットフォーム「MONNIT」製品紹介Webサイトはこちら
まとめ|規格選びで、IoT導入の成否が変わる
IoTセンサーの無線通信において、用途に合わない規格を選ぶと運用コストや保守負荷が想定外に膨らむことがあります。温度・漏水・振動など小さなデータを長期間・広い範囲で管理する用途においては、LPWA(920MHz帯)は有力な選択肢のひとつです。
- 電池寿命3〜10年で保守負荷を軽減
- 2.4GHz帯より干渉が少なく安定した通信
- 通信費・無線免許が不要でランニングコストを抑制
- 1ゲートウェイで100台を一元管理
- 自営ネットワークで社内LAN完結
IoTセンサーの導入・リプレイスを検討されている方は、「どんなデータを、どんな環境で、どれくらいの期間・コストで収集したいか」を軸に、通信規格の選択を検討してみてください。
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よくある質問|IoTセンサーに最適な無線規格について
LPWAとはどんな無線通信規格ですか?
LPWA(Low Power Wide Area)は、低消費電力で広域の通信をカバーできる無線通信規格の総称です。通信速度は数十バイト/回と低速ですが、その分消費電力を抑えられるため、電池駆動での長期稼働が可能です。920MHz帯・LoRa・Sigfox・LTE-M/NB-IoTなどがLPWAに分類されます。
920MHz帯とWi-Fiの違いは何ですか?
主な違いは以下の通りです。
| 項目 | 920MHz帯(LPWA) | Wi-Fi(2.4GHz) |
|---|---|---|
| 通信速度 | 数10byte/回(非常に遅い) | 10〜600Mbps(速い) |
| 屋内通信距離 | 100〜300m | 30〜50m |
| 電池寿命 | 5〜10年 | 1〜3週間 |
| 物理干渉リスク | 低い | 非常に高い |
| 接続方式 | 都度送信 | 常時接続 |
Wi-Fiは大容量データの高速通信に適している一方、920MHz帯は小さなデータを低消費電力で広範囲に届けることに適しています。
設備管理にはどの無線規格が適していますか?
温度・漏水・振動など小さなデータの管理用途には、920MHz帯のLPWAが適しています。理由は、電池寿命が5〜10年と長く、屋内で100〜300mの通信距離をカバーでき、通信費が不要で、干渉リスクが低いためです。なお、用途・環境によって最適な規格は異なります。
工場や倉庫でIoTセンサーを使うには何が必要ですか?
MONNITソリューション(920MHz帯LPWA)を使う場合、必要な構成はセンサーとゲートウェイ、および社内LANへの接続環境です。外部の回線契約や無線局免許は不要で、ゲートウェイを社内LANに接続するだけで利用を開始できます。実際の導入要件(ネットワーク環境、設置条件など)によって変わる場合もありますので、詳細はお問い合わせください。
IoTセンサーの電池をなるべく長持ちさせるには?
常時接続ではなく、必要なときだけデータを送信する「都度送信方式」の規格を選ぶことが有効です。Wi-FiやLTEは常時接続のため電池消耗が速く、電池駆動での長期運用は困難です。920MHz帯LPWAは都度送信方式を採用しており、単三電池で約3〜10年の稼働が可能です。
通信費のかからないIoTセンサーはありますか?
有線・Wi-Fi・Bluetooth・920MHz帯LPWAは、いずれも月額通信費が不要です。LTEは500〜2,000円/月、LTE-M/NB-IoTは100〜500円/月の通信費が発生します。920MHz帯LPWAは通信費が不要なうえ、無線局免許や届け出も不要です。
本記事で紹介した特性・数値は一般的な目安です。導入環境によって実際のパフォーマンスは異なる場合があります。具体的な導入要件については、お気軽にご相談ください。
※機能や価格は公開日時点の情報です